フェライト磁石
フェライト磁石(英:Ferrite Magnet)は、ネオジム磁石とならび最も広く流通している永久磁石です。フェライトとは、酸化鉄(FeO₂)を主成分とするセラミックスの総称で、保磁力が高い(硬磁性をもつ)ハード・フェライトと保持性が低い(軟磁性をもつ)ソフト・フェライトとに分けられます。保磁力が高く減磁しにくいハード・フェライトがフェライト磁石の原料で、他方ソフト・フェライトは外部磁界が加わると磁性をもちますが、外部磁界から外れると磁性を失います。
フェライトの起源は1930年に遡り、東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士が発明しました。このフェライトの特許を譲り受け、フェライト磁石の実用化に成功したのが、のちに東京電気化学工業株式会社(現、TDK)を創業した齋藤憲三でした。
フェライト磁石は、酸化鉄を主成分にコバルトやニッケル、マンガンなどの混合粉末を焼結後、電磁石によって着磁することによって製造されます。比較的強い磁力を持つものの、ネオジム磁石やサマコバ磁石に比べ安価であることから家電や電子機器、日用品等に広く利用されています。原料の混合粉末に熱可塑性樹脂(プラスチック)や合成ゴムを混ぜることにより、様々な特性を付加することも可能です(プラスチックマグネット、ラバーマグネット等)。
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